金買取の相場はドルの影響を受けやすいです。というのは、金はドルで取引されるのが普通だからです。世界的に見ればドルでの取引が圧倒的に多く、そのためにドルの影響を受けやすいのです。ドルが相対的に弱くなると金買取の相場は上昇しますし、その逆も成立します。
たとえば、2009年から2010年は、FRBが大量の金融緩和を行いましたから、これによってドルの価値は低下しました。このときに金は759ドルから1370ドルまで1.81倍にまで上昇したのです。日本円に換算した場合には、ドル円レートが関係してきます。ドルが弱くなったことによって相対的に円の価値が上がり、円高になりました。
円高になれば円の価値が高くなるわけですから、円建ての金の押し下げ要因となります。同じ時期に、国内での金買取の相場も上昇しましたが、2433円から3665円と、1.51倍の上昇に収まったのです。このように、ドルの変動による価格への影響は大きいのですが、円建てにすれば変動が抑えられるという傾向があります。金買取の相場を見るときには、日本では円建てで見るわけですが、世界的に見ればドルで取引されていますから、価格変動を分析するときにはドル建ての金を見るのが適しています。
そして、実際に買うときには円建てを見るか、あるいはドル円レートを見ながら取引をするというのが基本的なスタンスになるでしょう。このようにドルが影響することは常に意識しておかなければなりません。