金買取の相場はドル建てで取引がなされています。世界の中心はロンドンですが、ロンドンでもドル建てで取引されているという点に注意が必要です。ですから、日本人が日本円で金に投資をしたいと持ったときには、ドル円レートの影響も考慮しなければなりません。円高になれば円建ての金買取の相場は下落し、円安になれば上昇する傾向があります。
では、ドル円レートの動向はどのようになっているのでしょうか。現在はかなり円安が進んでいると考えられます。これは日銀の金融政策が大きく影響しています。日銀は景気回復のために様々な政策を行っていますが、共通していることはマネタリーベースの増加です。
マネタリーベースを増加させることによってインフレを引き起こして景気回復を促進するという方針で動いています。マネタリーベースが増加すれば円は売られる傾向がありますから、それによって円安がになっていると言えるでしょう。これがいつまで続くのかというと、本格的に日本の景気が回復するまでだと考えられます。本格的に日本の景気が回復すれば現在の金融政策も解除されるでしょう。
そのときには円高になると考えられますから、円建てでの金買取の相場は押し下げられると考えられます。このように考えれば、金には景気が大きく影響していることが分かります。金も経済の一部であることを考えれば、金買取の相場を把握するためには経済全体を把握しておくことが必要となります。